冬の終わりにふらりと現れ、いつのまにか居付いた子猫は
気分屋で、我儘で、夏のはじめになっても一向に懐く気配はなく
けれどそのくせ、妙なところで素直で甘えただったりして
かつて一緒に暮らしていた子供を思い出させた――