その人は何かと人騒がせで
有無を言わさぬ強引さで周りを巻き込む厄介な人物だ。
けれども、ひと癖もふた癖もある人間が集まるこの学園の中で
裏表なく誰に対しても笑顔を向けるその姿については、自分も好ましく思っている。
人によってはその笑顔を空から溢れ落ちるような、などと喩えるだろう。
それについて異論はない。
…しかし
何も、本当に
落っこちてくることないと思う。
散々僕の愚痴と説教を聞いた彼は
それでもやっぱり笑っていた。
『天へ落ちるように君は笑う。』
お題配布:
余韻